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特徴
ED治療薬(勃起薬)とは、ED(勃起不全)や性機能(精力・性欲)の低下を解消する為に開発された薬の事です。主に勃起をサポートする効果を持ちます。よく知られている薬だと「バイアグラ」「レビトラ」「シアリス」などがあります。
有効性は80%以上と高いですが、これは重度の疾患のある方も含んでいるので、健康な方での有効率は95%以上になるのではないかと推測されています。
薬の効果が強く劇薬に指定されているため、販売は病院などの店頭販売のみになっていましたが、最近ではインターネットでの一般医薬品の販売を解禁する規制緩和によってインターネットで購入する事が可能なようです。
しかしED治療薬の入手には、病院やクリニックを受診して医師の処方を受ける必要があります。
この手順が省かれている時点で、インターネットでのED治療薬の入手はNGと言えます。
またインターネット上で販売されている物には偽造品が多く、およそ6割程の物が偽造品、または出所不明な物だと言われています。偽造品は、見た目などが本物と見分けにくい物が多く、購入者が気づかずに使用している場合があります。
ある調査によれば、インターネットでの購入者の約9割の人が、「自分の購入した物は本物だ」と思い込んでいるそうです。
本来医師による処方が必要な物なので、偽造品や模造品は非常に危険で健康被害を与える物も多く、また偽造ED治療薬(勃起薬)が原因と思われる死亡例も報告されています。
この様に効果が高い分、非常にリスクが高いので、通販などで購入するのは控えた方が良いでしょう。
【日本の国から正式な認可がおりている正規販売、製造メーカーの一例】
- バイアグラ → ファイザー社 (アメリカ) 1990年 日本正式認可
- レビトラ → バイエル社 (ドイツ) 2004年 日本正式認可
- シアリス → イーライリリー社(アメリカ) 2007年 日本正式認可
また、バイアグラに関しては2014年に日本国内にて特許が切れた為、各製薬会社から厚生労働省のお墨付きで、バイアグラジェネリックが登場しています。
EDとは
ED治療薬(勃起薬)は、その名の通りEDを改善するための物なのですが、そのEDとは何でしょうか?
EDとは「Erectile Dysfunction」の頭文字を取ったもので、勃起不全や勃起機能障害、勃起障害、より一般的には陰萎、性的不能などとも呼ばれます。
男性の性機能障害「Sexual Dysfunction」(SD)の一種で、
- 陰茎の勃起の発現あるいは維持のできないために満足に性交の行えない状態
- 性交時に有効な勃起が得られないため満足な性交が得られない状態
- 通常性交のチャンスの75%以上で性交が行えない状態
などの状態を指します。このような勃起困難、硬度不足などのほかに、勃起の維持も診断の基準となります。
いわゆる「中折れ」と呼ばれる「性交の途中であるにも拘らず性交渉の完了まで充分な勃起を維持できない症状」もEDに含まれます。
主な原因としては、
- 加齢
- 糖尿病
- 血液循環の悪化などの血管障害
- 脳からの神経伝達の妨げなどの神経障害
などの器質性勃起障害と呼ばれる身体的な問題。また、心因性勃起障害と呼ばれる心理的な問題もあります。
近年、若い男性のEDが増加の傾向にあるのですが、原因としてこの心理的な要因が一番多いと言われています。
体の機能的には全く問題はないのですが、何らかの心理的要因よって満足な勃起ができない状態になります。メンタルの問題なので、原因の判明は難しいのですが、症状によっては投薬やカウンセリングなどで比較的簡単に治る場合があります。
他には
- 循環器系薬剤(高血圧の薬として処方される高圧剤、アドレナリンに作用する薬など)
- 抗うつ剤、向精神薬など
- テストステロンを抑制する薬剤
- 一部のホルモン剤
などの薬の服用が原因で起こる場合もあります。このような要因で起こる勃起障害を薬剤性勃起障害と呼びます。これに関しては、「起こり得る」という可能性があるというだけなので、これらの薬を服用しているからといって、その薬が原因とは限りません。
飲み合わせの問題もありますので、これらの薬とED治療薬を併用する場合は事前に医師としっかりと相談しましょう。
主な成分と効果のメカニズム
ED治療薬の主な成分には、
- シルデナフィルクエン酸塩 (バイアグラの主成分)
- バルデナフィル塩酸塩 (レビトラの主成分)
- タダラフィル (シアリスの主成分)
- ヨヒンビン
などがあります。これらの成分の作用によって勃起を促します。その効果を成分別に見てみましょう。
- シルデナフィルクエン酸塩
- バルデナフィル塩酸塩
- タダラフィル
- ヨヒンビン
血液量の増加、血管の拡張、PDE5(陰茎の海綿体を膨張を阻害する酵素)の働きを弱める
性欲増強や精液量の増加はない
血液量の増加、血管の拡張、PDE5の働きを阻害、臓器選択性が高い(海綿体へのピンポイントな効果)
シルデナフィルクエン酸塩の弱点を改善(即効性の向上、食事の影響を受けにくい、持続力の向上、副作用が軽微)、性欲増強や精液量の増加はない
持続力の更なる向上(20mgで投与後36時間までの有効性が認められている)、食事の影響を受けにくい、PDE5の働きを阻害
陰茎周辺部(もしくは肺)の血管を拡張や血流量が増える(もしくは血圧が低下する)、性欲増強効果はない
血管拡張作用、性欲の減退を防ぐ(性欲を阻害する物質をブロックするため、性欲が増すわけではない)、即効性がある、PDE5の働きを阻害
危険な副作用を発症する可能性がある(日本では医薬品成分として扱われている)
上の3つに関しては、
シルデナフィルクエン酸塩→バルデナフィル塩酸塩→タダラフィル
の順に新しい薬となっています。ヨヒンビンに関しては、古くから精力剤(男性用活力サプリメント)として利用されていた歴史がありますが、だからといって劇薬であることには変わりませんので(4つすべて劇薬です)十分注意してください。
つまりED治療薬(勃起薬)とは
EDの治療を目的とした薬であり、非常に効果や副作用の強い劇薬です。インターネット上で販売されていますが、模造品や偽造品が非常に多く健康被害や死亡例などもあり、入手経路によっては非常に危険な薬品です。
購入される場合は必ず病院などで医師に処方してもらうようにしましょう。