男なら誰もが体験し知っている現象、「朝勃ち」。若い頃は毎朝毎朝、頼んでもいないのに勝手に硬く大きくなっていました。それを人に見られないように、あれこれ必死で隠すという道は誰もが通ったはず。
呼吸と同じぐらい、当たり前すぎて気にも留めなかった現象。
年を重ねながら生きる日々の中で、ある日ふと気づく。
「あれ?最近朝勃ちしなくなった?」
そしてじわじわと迫り来る、ヤバいのかヤバくないのかよくわからない焦りと不安感。この朝勃ちしなくなるという現象も、男ならみんないつかは通る道なのかもしれない。
「でもその時は今じゃないんだよ!!
そもそもこれがヤバいのかヤバくないのか分かんねーんだよ!!(涙)」
というわけで今回は、この現象が「ヤバい」のか「ヤバくない」のかのお話です。
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そもそも朝勃ちって何?
いわゆる朝勃ち(朝立ち)とは、夜間陰茎勃起現象(やかんいんけいぼっきげんしょう)という名前の生理現象の事で、性的な興奮や自意識とは関係のない状態でペニス(陰茎)が勃起している状態の事です。
寝ている間に勃起が起きることを夜勃ち(夜立ち)といい、これが朝起きた時まで続いている状態のことを朝勃ち(朝立ち)といいます。
この現象は睡眠のメカニズムによるものです。ですので俗説にある、「朝勃ちは性的な夢を見るから起きる」というのは間違いです。
さらに、昔は「寝ている間に膀胱に尿がたまった結果、朝勃ちが起きる」と言われていましたが、これは近年の研究によって間違いだとされるようになりました。ちなみに女性も朝勃ちします。
何故おきるのか?
上でも書いていますが、これには睡眠が深く関係しています。
睡眠にはレム睡眠とノンレム睡眠があり、この2つが交互に周期的に入れ替わっており、夜勃ちはレム睡眠の時に起こっています。
レム睡眠は一晩に約90分サイクルで約4回訪れ、夜勃ちは最長で2時間ほど維持されます。これが朝まで維持されると朝勃ちとなるわけですが、夜勃ちしたからといって必ず朝勃ちが起きるというわけではありません。
朝勃ちの頻度には個人差がありますが、一般的に若い人のほうが頻繁に起こります。しかし、歳を取ったからといってなくなるわけではありません。
60歳以上の男性はノンレム睡眠の時にも朝勃ちが起こるといわれており、ほとんどの男性にとっては一生経験する生理現象となっています。
ちなみにこの夜勃ちの起きる理由ですが、定期的にペニスの海綿体に血液を送ることによる勃起力のメンテナンス作業、またはストレスの解消作業のためだと考えられています。
朝勃ちがない場合に考えられる原因
朝勃ちは年齢を重ねるにつれて頻度は減りますが、基本的に一生起きるものです。しかし、その朝勃ちがなくなった場合、原因の一つとしてED(勃起障害)になっているという事が考えられます。
EDは勃起しにくくなる、または全くしなくなる病気なので、EDになると朝勃ちもしにくくなります。実際、EDの診断の際、朝勃ちがあるかどうかというのを測定する場合があります。(正確には朝勃ちというよりは、夜勃ちが起こっているかを調べるテストです)
これによって夜勃ちしていない場合はEDの可能性があると言うことになります。
※wikipediaより→勃起不全(「6 診断」の項参照)
しかし、EDの原因が心因性(心によるもの)の場合、EDであっても夜勃ちする場合があります。つまり、朝勃ちがあってもなくてもEDの可能性はあるということです。
さらに朝勃ちの頻度には個人差がありますし、仮に健康な若者であっても朝勃ちしないことはあります。
ですので、よっぽど酷い場合(かなり長期的に全く勃たないなど)出ない限り基本的には、朝勃ちしないからといって過剰な心配をする必要はありません。
また、そのよっぽど酷い場合でも、そこまでEDの症状が重いのであれば、朝勃ち以外にも重大な症状が出ていると思われます。
さすがにそんな状態であれば気づくでしょうし、病院に行くことも考えているレベルだと思います。なので、朝勃ちしないからといって、EDについてあまり神経質になることはありません。
また、朝勃ちがなくなった事から考えられる原因としては、テストステロン(男性ホルモン)の減少があります。テストステロンが減少すると、血管が硬くなり血流が悪くなります。その結果、ペニスに血液が十分に送られず、勃起しにくくなる可能性があります。
テストステロンの減少の理由には様々ありますが、主に不健康な生活やストレスなどがあります。
こちらの対処法ですが、生活を見直して改善したり、強壮剤(精力剤(男性用活力サプリメント)の一種)を使用する事などが考えられます。
※強壮剤について詳しくは強壮剤についてに記載しています。
基本的には、食事、睡眠、運動などをバランスよくしっかりと行い、健康的で規則正しい生活を心がければ問題はないと思われます。
ちなみにテストステロンは、健康的な生活を送っていても加齢によって減少していきます。
※加齢と精力の関係については年齢に伴う精力の変化をご覧ください。
結論
朝勃ちには個人差がありますので、朝勃ちがなくなっても過剰な心配は要りません。
対処法としては、生活を見直し規則正しい健康的な生活を心がけましょう。または強壮剤を使用するのも良いでしょう。
かなり長期的に全く朝勃ちが無いなどあまりに症状が酷い場合や、EDと思われるような朝勃ち以外の重大な症状を併発している場合は、病院で診察を受けましょう。
まとめ
男性にとってペニスや勃起力とは、精力の象徴であり、それは男としての価値やプライドを象徴するものです。男としての沽券に関わるものなのです。
それほどのものなので、ちょっとした生理現象の乱れですら、過剰に反応してしまうのは仕方ありません。しかし、むやみやたらに慌てふためいて不安になるのは止めましょう。
その不安感がストレスとなり、精力減退の一因ともなりかねません。何かしらの現象には、必ずその原因があります。まだ解明されていない事もありますが、その原因を正しく理解し、正しい対処が出来るようになりたいものです。