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タバコについて
タバコ(たばこ、煙草、Nicotiana tabacum)は、ナス科タバコ属の多年草の亜熱帯性植物で、葉の成分として有毒で習慣性の強いニコチンを含む植物です。語源は、スペイン語やポルトガル語の「tabaco」からきています。(スペインでは薬草類を「tabaco」と呼んでいました)
タバコ属には約50の種が含まれますが、大規模に栽培される種は、タバコとNicotiana rusticaの2種に限られます。日本の法律上は「タバコ属の植物」を「たばこ」といい、「たばこの葉」を「葉たばこ」といいます。
そして、「葉たばこを原料の全部又は一部とし、喫煙用、かみ用又はかぎ用に供し得る状態に製造されたもの」を「製造たばこ」と呼びます。俗に言うタバコとは、この「製造たばこ」の事を指します。
タバコの歴史は古く、タバコ自体は紀元前5000~3000年頃から南米のアンデス山脈で栽培されていました。マヤ文化では古くから根づいていたタバコは、15世紀にコロンブスによってアメリカ大陸からヨーロッパに伝えられました。
そこからヨーロッパ中に広まっていきましたが、日本には、1543年種子島に鉄砲伝来とともに上陸したといわれています。(タバコの日本伝来時期には諸説あります)
すぐにタバコは日本中に広がり、国内でもたばこの栽培が始まりました。1601年に肥前国平戸(長崎県平戸市)に来航したフランシスコ会員が平戸藩主松浦鎮信に、タバコの種子を贈呈したという記録があります。
これを記念して平戸城跡である亀岡神社には「日本最初 たばこ種子渡来之地」の石碑が建てられています。1605年には長崎の桜馬場で初めてタバコの種が植えられたとされています。
明治以降、たばこ税が定められると共に、たばこの栽培、製造、販売も本格化し、それにつれて喫煙習慣も更に広がっていきました。
しかし年少者にも喫煙が広がりだした為に、明治27年(1894年)に「小学校での喫煙を禁ずる」との訓令が出されました。そして明治33年(1900年)に健全なる青少年の育成を目的として、「未成年者喫煙禁止法」が施行され現在に至ります。
現代においては、タバコは嗜好品として多くの喫煙家が存在しています。男性と女性で喫煙率は大きく差があり、男性の喫煙率の方が多くなっています。
しかし、近年においては、タバコ税による値上がり、タバコの悪影響や非喫煙者でも副流煙によって健康被害が発生することがある、という事がなどが広く知られたため、喫煙率は下がっています。
昭和40年頃には男性で75~85%ほど、女性では5~23%ほどの喫煙率でしたが、平成元年には男性50~70%ほど、女性8~16%ほどになり、平成26年では男性で21~40%ほど、女性では5~15%ほどになっています。
成人男性の喫煙率は、減少し続けていますが、諸外国と比べると、未だ高い状況にあり、約1500万人が喫煙していると推定されています。
余談ですが、タバコにはタバコモザイクウイルスが付着していることがあるので、タバコを触った手で、栽培しているトマト、キュウリ、ピーマン(トウガラシ)は触らないようにしましょう。
タバコの人体への影響
近年ではテレビなどのメディアの影響で広く知られる様になりましたが、タバコには様々な悪影響があります。
世界保健機関 (WHO) によると、「世界で喫煙による死亡者は年間490万人おり、全世界で、今日喫煙をしている人々の半数である6億5千万人は、喫煙が最終的に原因で死亡する」とし、受動喫煙がガンなどの深刻な健康被害を引き起こすことに疑問の余地はないと主張しています。
また世界医師会は、「非喫煙者は受動喫煙によって、毎年数十万人が死亡しており、職場の受動喫煙によって死亡する労働者は毎年およそ20万人いる」との声明を発表しており、「喫煙をはじめとしたタバコ使用は、すべての臓器を侵し、ガン・心臓病・脳卒中・慢性閉塞性肺疾患・胎児への傷害などの主要な原因となっている」とし、また「4000種以上の化学物質、50種以上の発ガン物質などの有害物質を含むタバコ煙にさらされる非喫煙者は、肺ガンや心臓病などの病気で命を脅かされている」と主張しました。
主な悪影響
ニコチン依存症や過剰摂取 | ガンの発症 |
呼吸器疾患 | 循環器疾患 |
妊婦への悪影響 | 免疫低下や感染症のリスク増加 |
歯科疾患 | 神経疾患 |
糖尿病 | 勃起不全(ED) |
など
このように多数の害があるとされています。
しかし有用な効果もあるとされており、
- 覚醒作用
- リラックス作用
- 発想の転換を促す
- 気付け作用
- 痴呆病の予防になる可能性が高い
- 喫煙所がコミニケーションの場として有効
などの効果があると言われています。
また、性別・年齢にかかわらずニコチンがパーキンソン病の防御因子になると報告されており、喫煙者は潰瘍性大腸炎を発症しにくい傾向があることや、喫煙に炎症性腸疾患に対する防御作用があるとの報告もあるようです。
精力減退との関係
様々な害のあるタバコですが、この悪影響は精力の減退にも関わってきます。
タバコに含まれるニコチンには、血管の収縮作用があるといわれています。陰茎の勃起は、陰茎の海綿体という組織に血液が流れ込むことで起きるのですが、ニコチンによる血管収縮の影響で血行が悪くなり、その結果ED(勃起不全)のリスクが高まると言われています。
また、タバコにはビタミンやミネラルを破壊すると言われることがあります。しかし、これは表現としては少し違います。
直接、ビタミンやミネラルを破壊するのではなく、喫煙によって起こる現象(有害物質の分解や活性酸素の分解など)のために、ビタミンやミネラルが消費されてしまい、結果、ビタミンやミネラル本来の身体の健康を維持したり、バランスを保つことという働きに回す事が出来なくなってしまうと言う事のようです。
さらにそのことが身体の様々な機能に影響を及ぼし、結果として必要な栄養素を上手に吸収、分泌、出来なくなってまうというという悪循環を引き起こす事もあるようです。
ですので、破壊というよりはビタミンやミネラルの消費による必要分の不足と言った方が正しいかも知れません。まあどちらにしろ体にとって不足する事態なことに変わりありません。
このことが、精力の減退にどの様な関係があるのかというと、例えばビタミンC。
ビタミンCの働きに、抗酸化作用による動脈硬化、脳卒中、心筋梗塞などの予防、改善効果があると言われています。これはビタミンCの、血管を拡張し、健康でしなやかに保つ働きの為だと言われています。
このビタミンが不足すると血行の悪化を招き、結果的にEDのリスクが高まると言われています。
その他のビタミンやミネラルにも、血管に関係する働きや神経伝達に関係するものがあります。これらが失われる事にとって、EDや精力減退のリスクが高まります。
この他に喫煙は、血流だけでなく精子にも悪影響を与えると言われています。喫煙によって精子の数の減少、運動率の低下、DNA構造が傷つけられるなどの影響があると言われています。
また先ほどのビタミンやミネラルの不足の面で言うと、亜鉛の不足などがこれに該当します。亜鉛は、精子の生成に必要なミネラルなので、不足すると精子の量が減少してしまいます。
また生活習慣病の方がタバコを吸うと、精力減退やED(勃起不全)になる可能性が大きくなると言われています。統計によると、心疾患治療中でタバコを吸う方が勃起不全になる割合はタバコを吸わない人の約3倍、高血圧患者の場合は約2倍と言われています。
喫煙者がEDになるリスクが高いのはここまでに記載していますが、生活習慣病などの病気とタバコの組み合わせもEDのリスクを高めてしまいます。
これらの影響によって、タバコは、精力の減退に影響があると言われています。
イギリスでの研究における調査によると、1日に20本以上のタバコを吸う男性が精力に不安を感じる割合は、タバコを全く吸わない男性より40%も高い。1日に20本未満のタバコを吸う人の場合でも、吸わない男性より24%高いという結果となったそうです。
その他には、ED患者の70~80%が喫煙者だというデータもあるようです。
ちなみに「メンソールのタバコはEDになる」という噂がありますが、これは正しいとはいえません。正確にはメンソールかどうかは関係なく「タバコを吸う事」自体にEDになる可能性があります。
まとめ
ここまで記載してきたように、タバコの喫煙は精力にとって全く良くありません。EDなどの精力に関すること以外にも、そもそも健康にとって喫煙は好ましくありません。
しかし、タバコに含まれるニコチンには、依存性があります。近年は、禁煙や分煙がブームですが、「タバコは身体に悪いのは分っているけど止められない」と思っている方も多いのではないでしょうか。
そのような方のために、近頃では禁煙グッズや禁煙外来などのサポートも増えてきています。タバコはよく「百害あって一利なし」と言われます。精力や健康、またお金の節約のためにも、是非、禁煙を始めてみてはいかがでしょうか。