日本にはED(勃起不全)の患者の方がたくさんいらっしゃいます。その中でも一番多い症状がこの「中折れ」と言われています。
男性にとってこれは本当にシャレになりません。今回はそんな中折れのお話です。
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中折れとは?その原因
中折れとは、勃起はするけれど、セックスの最中にペニスがなえてしまう事をいい、ED(勃起不全)の症状の一つとされています。初期症状に多いといわれています。
EDといえば、全く勃起しない状態を指すと思われがちですが、それは間違いです。医学的なEDの定義は「性交時に十分な勃起が得られないため、あるいは十分な勃起を維持できないために、満足な性交が行えない状態」とされているため、中折れもEDに含まれます。
勃起に代表される性機能は、男性にとって非常に大きな問題であり、男としての沽券に関わります。つまり性機能の衰えは、男としてのプライドが傷つくことなのです。
特に中折れは個人的には、なまじセックスが始まってしまっているために、そもそも勃起しないことに比べて精神的なショックが大きいように思います。
原因としては、「心因性」「器質性」「混在性」「その他の要因」があります。
「心因性」というのは、つまり心の状態が原因ということです。オナニーなど、一人では最後までいけるのに、相手がいると中折れする場合は、この心因性勃起不全の可能性が高いといわれています。
緊張やプレッシャー、不安、疲労、ストレスなどの心理的な要因によって、中折れが起こってしまっています。さらに、この心因性の勃起不全は一度発生すると、「次は大丈夫なのだろうか?」などの不安や「まさか自分が勃起不全なわけがない。次は絶対に最後までできるはずだ。」というプレッシャーになり、さらに勃起しにくくなるという悪循環を引き起こすことがあります。
「器質性」というのは、身体機能の異常や障害によって中折れが発生している場合の事です。例えば、病気によって血管の健康が損なわれたり、血行が悪くなったりした場合などです。
勃起とはペニスに血液が流れ込むことによって起きるので、血液が流れなければ当然、勃起しません。また、男性ホルモンの分泌低下もこの器質性勃起不全になります。男性ホルモンであるテストステロンは、血行を促進したり血管を健康に保つ働きがあります。
このテストステロンの分泌が減少すると、結果、ペニスに十分な血液が流れなくなり、器質性勃起不全になります。セックスでもオナニーでも中折れしたり、朝勃ち回数も減ってきたりしている場合は、この器質性勃起不全の可能性が高いと言われています。
「混在性」とは、この「心因性の勃起不全」と「器質性の勃起不全」が複合している場合を指します。
そして「その他の要因」ですが、これは上記の3つ以外の要因で勃起不全が起きている場合です。主に薬の副作用などによって起き、例えば、抗うつ薬や向精神薬、降圧剤などの副作用によって起こるものを指します。
対策方法
さて、それではその対策という話になるのですが、主に心因性と器質性についての対策になります。
器質性勃起不全の対策
- 健康状態の改善
- 筋力トレーニング
器質性の中折れの場合、大抵その原因は血管や血流です。つまり血管を健康に保ち、血流を改善することが大切になります。
健康状態が悪化すると、糖尿病や高血圧、高脂血症などの生活習慣病にかかりやすくなり、その結果、動脈硬化を起こします。動脈硬化が発生すると血流が悪くなり、中折れの起きる可能性が増加します。
逆にいえば、あまりに中折れが酷い場合、動脈硬化になっている可能性があるといえます。ですので、そのようなことを引き起こす生活習慣病にならないために、バランスのよい食生活や定期的な運動が必要です。
また、血流の悪化の原因となる喫煙や、男性ホルモンの分泌を減少させる飲酒などは、なるべく控えるようにしましょう。喫煙や飲酒については精力減退とタバコ(喫煙)についてや精力減退と酒(飲酒)についての記事で詳しく記載しています。
中折れはセックスの途中でペニスが萎えてしまう事ですが、そのペニスの勃起を維持する筋肉を鍛えることで改善が期待できます。その筋肉とは、骨盤底筋群(PC筋)と呼ばれる筋肉です。
骨盤底筋群(PC筋)は、読んで字のごとく骨盤の底にある筋肉群で、ペニスの根元にも繋がっています。この筋肉が発達していると、骨盤内、さらにはペニスに血液が流れやすくなり、また、長くその血液を留めておけるようになります。つまり中折れを防げるようになるという事です。
この骨盤底筋群を鍛えるための運動ですが、非常に簡単で、肛門を全力で10秒間閉め続けるだけです。
これを一日に5回~10回程行います。
回数や時間は自分の出来る範囲で変更してもかまいません。
これだけでPC筋が鍛えられます。
また、トレーニングらしいトレーニングといえば、スクワットなども効果的です。スクワットも骨盤内、ひいては下半身全体の血流を改善します。その他のトレーニングについてはこれで精力増強!効果的なトレーニング法をご覧ください。
心因性勃起不全の対策
生活習慣の改善やトレーニングでも改善できない場合は、心理的な原因で勃起不全に陥っている可能性があります。その場合、何が不安やストレスの原因になっているのか考えてみる必要があります。その原因が自力で改善できるものならばよいのですが、そうでない場合も多いと思います。
対策としては、運動などでストレスを発散するか、ストレスの元を極力取り除くぐらいしかありません。ただ、そうやってストレスや不安や緊張などの事ばかり考えていると、それがそもそもストレスになってしまう場合があります。
ですので強いていうなら、あまり気にしないことです。そして肯定的に捕らえ受け入れることも効果的だと思われます。
実際、「自分は精力が衰える年齢だし、こういうこと(中折れなど)も増えてきて当然だ。自分はEDなんだ。(EDになってもそれは当たり前の事だ)」と考えられるようになった途端に改善した例もあります。
案外、深く考えずに放ったらかしにしていたら、勝手に治っていたりするので、難しいとは思いますが、あまり深刻に捉えないようにしましょう。
もしどうしても無理だったり、無視できないほど症状が深刻な場合は、ED外来や泌尿器かなどで医師に相談することも検討しましょう。医師に相談するだけでも不安感は緩和されることもありますし、自分一人でどうにもならない時は抱え込まずに相談するようにしましょう。
まとめ
中折れやED(勃起不全)などは男性にとって非常に大きな問題です。とても無視できるような事ではありません。
しかし、なるべく気にしないようにしましょう。あまり気にすると、心因性勃起不全になっている場合はそれがさらに悪化し、器質性勃起不全の場合は、心因性勃起不全を併発し、混在性勃起不全に発展する恐れがあります。
無視できない問題なのに無視した方がいいという、非常に難しい話ですが、好きなことに熱中したり、運動でストレスを発散したりなどして、上手に自分の心と付き合っていきましょう。どうしても改善されない場合は、器質性のEDや動脈硬化の可能性もありますし、一人で考え込まず、ぜひ医師に相談しましょう。