精力剤(男性用活力サプリメント)や栄養ドリンクなどを購入する際、配合成分を確認することは多いと思いますが、そこで見かけることの多い「L-シトルリン」や「L-アルギニン」などの表記。
これに付いている「L」などのアルファベット。いったい何なのか気になった事はないですか?
普通のシトルリンとかとは違うのか、違うとしたら何が違うのか。ここではその「L」や「D」などの違いについて解説したいと思います。
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そもそもアミノ酸にはL型とD型がある
シトルリンやアルギニンなどのアミノ酸にはL型とD型という2つのタイプがあります。これにより「L-シトルリン」や「D-シトルリン」という風に分けられます。
これらの2つは効果などが違います。そのため、精力剤(男性用活力サプリメント)や栄養ドリンクなどでは、「この製品は「L」の方を配合していますよ」、と教えるためにL-シトルリンなどと表記しているのです。
L型とD型の違いは?
先ほど紹介したL型とD型の違いですが、この2種類、性質は同じなのですが体の中での作用が異なります。
L型の方は体の中で栄養になりますがD型はなりません。つまり、身体の体で働くアミノ酸は全部L型ということです。そして、身体の中に存在するのもL型のアミノ酸のみです。
これは人間に限らず他の生物にもいえることで、この世の全ての生き物はL型のアミノ酸をベースとしています。また、L型は、D型より体内での吸収率が高いのが特徴です。
つまり、まとめると
L型は、
- 体内に存在する
- 体内で栄養になる(働く)
- D型に比べ吸収率が高い
D型は、
- 体内には存在しない
- 体内で栄養にならない(働かない)
- L型に比べ吸収率が低い
ということです。
※ちなみに、D型は栄養にならないというのは、D型自体に効果がないというわけではなく、「吸収されない=働いていないのと同じ=効果がない(栄養にならない)」ということです。
というわけで、基本的にD型のアミノ酸をサプリで摂っても意味がありません。もしD型を摂取した場合は、吸収されずに尿や便と一緒に排出されます。
成分表に「L」の表記がない場合はどう判断すればいいの?
L型のアミノ酸の方が有効なのは、分っていただけたかと思いますが、その「L」や「D」の表記がない場合は、どう判断すればよいのでしょうか?
ただ単にシトルリンなどと表記されている場合、どちらか一方を指しているか、両方の総称かのどちらかですが、どちらか一方の場合でも基本的に「L」の方を指していると考えて問題ないと思います。D型を摂取してもほぼ意味がありませんからね。
ただし、安い粗悪品や海外のサプリの場合、D型のみが配合されていたり、L型とD型のアミノ酸を分けずに配合されている場合があるようです。この場合、摂取量に対し期待した効果が得られない場合があります。
※D型が使われている場合は、商品の成分表記に必ず「D-シトルリン」などと書いてあります。
D型のみの場合はもちろんほぼ効果がないといえますが、L型とD型の混合の場合も注意が必要です。例えば、シトルリン1000mgが配合されているとして、このシトルリンが全てL-シトルリンなら、1000mg摂取した効果が期待できます。
しかし、このシトルリンが、L-シトルリン500mgとD-シトルリン500mgだった場合、D型はほぼ効果がないので、シトルリンに期待している効果は、500mg摂取分、つまり半分しかないことになってしまいます。
ですので、購入の際は念のため「L」の表記がされているかどうか確認しましょう。
注意点
ここまで成分表に書かれているL-とかD-とかの表記について解説してきました。そして、「D型は効果がありませんよ、摂取するならL型ですよ」、と説明しました。
しかしここで注意してほしいのが、成分でD-と付いているものが全て効果がないというわけではないという事です。
例えば、精力剤(男性用活力サプリメント)や栄養ドリンクに含まれる成分に、「D-ソルビトール」というものがあります。この「D-ソルビトール」に付いているD-もD型という意味です。
しかし、そもそもこのD-ソルビトールは、ブドウ糖(グルコース)を還元して作られる糖アルコールの一種で、つまり糖です。アミノ酸ではありません。
ですので、このD-ソルビトールはD-と付いてはいますが効果がないわけではありません。
このようにアミノ酸以外の成分にもD-と付いている場合があるため、成分を確認する時は気をつけるようにしましょう。
まとめ
今回はL型、D型の例としてシトルリンを取り上げましたが、この他にもアルギニンやイソロイシンなど、L-やD-と表記されるアミノ酸はたくさんあります。
糖アルコールであるD-ソルビトールの例のように、アミノ酸以外でもこのような表記があるため紛らわしいですが、このL型やD型を正しく理解した上で成分をよく確認し、なるべくL型のアミノ酸を摂取するように心がけましょう。